ニキビ

ゼビアックスローションは1日1回でニキビの炎症に使う非フッ素キノロン、副作用は1〜2%台

内海

ゼビアックスローション2%(一般名オゼノキサシン)は、赤く膿をもったニキビ(炎症性のざ瘡)や、毛包炎・膿痂疹といった表在性の皮膚感染症に使う「塗る抗菌薬」です。1日1回、洗顔後に塗るだけで使え、ニキビの原因菌であるアクネ菌や黄色ブドウ球菌の増殖を抑えます。副作用は臨床試験で0.5〜7.5%、市販後の大規模調査でも1.38%と少なめですが、抗菌薬であるため漫然と長く使い続けず、炎症が強い時期に短期間使うのが基本です12。この記事では作用のしくみ、効果が出る目安、副作用の中身、ほかの塗り薬との違い、耐性菌のリスクまで事実ベースで整理します。

ゼビアックスローションはアクネ菌のDNA複製を止める非フッ素化キノロン系の外用抗菌薬

ゼビアックスの有効成分オゼノキサシンは、キノロン系に分類される抗菌薬です。細菌が増えるときに必要な「DNAジャイレース」「トポイソメラーゼIV」という2つの酵素の働きを同時にブロックし、菌がDNAを複製できないようにして殺菌します1。ニキビでは毛穴の中で増えたアクネ菌(Cutibacterium acnes)や黄色ブドウ球菌が炎症を起こしますが、オゼノキサシンはこれらの菌に対して殺菌的に作用します。

「フッ素を持たない(非フッ素化)」構造である点が特徴で、レボフロキサシンなどに耐性をもつアクネ菌に対しても抗菌活性を示すと報告されています4。塗り薬なので全身への吸収はごくわずかにとどまり、作用は塗った部位の皮膚に集中します。

ゼビアックスの効果は塗った炎症性ニキビに対して、市販後調査で顔の73.0%が改善

市販後に1,014例を対象に12週間行われた使用成績調査では、顔面の病変で「著明改善」または「改善」と判定された割合が73.0%でした3。炎症性の赤いニキビ(赤ニキビ)の数は中央値で77.3%減ったと報告されています3。一方で、毛穴のつまり(白ニキビ・黒ニキビ=面皰)そのものを減らす働きは弱く、抗菌薬は「すでに炎症を起こしたニキビ」に向く薬です。

効果が出るまでの目安:塗ってすぐ赤みが引くわけではありません。一般に外用抗菌薬は数週間かけて炎症が落ち着いていきます。2〜4週間使っても変化がない、あるいは悪化する場合は自己判断で続けず医療機関に相談してください。

ゼビアックスの副作用は臨床試験で0.5〜7.5%、塗った部位の皮膚症状が中心

副作用は多くありません。尋常性ざ瘡(ニキビ)患者を対象にした比較試験では、ゼビアックス群の副作用は血中ビリルビン増加が0.5%(204例中1例)のみでした1。毛包炎・膿痂疹などの表在性皮膚感染症を対象とした試験では7.5%(40例中3例)で、内訳は血中ビリルビン増加・皮膚乾燥・ほてりが各1例でした1。市販後の1,014例の調査でも副作用発現率は1.38%(14例)にとどまっています3

項目 内容
主な症状 塗った部位の皮膚乾燥、ほてり、刺激感、かゆみ
発生頻度 ニキビ試験0.5%/感染症試験7.5%/市販後1.38%1,3
出るタイミング 使い始めの皮膚刺激は塗布直後〜数日に起きやすい
治まり方 多くは軽度で、中止・保湿で改善することが多い
すぐ使用を中止して受診すべき場合:強い赤み・腫れ・かゆみ・水ぶくれなど、かぶれ(接触皮膚炎)を思わせる症状が出たときは塗るのをやめて皮膚科を受診してください。光線過敏(日光で皮膚症状が出る反応)は健康成人での試験では確認されていませんが、異常を感じたら医師に相談しましょう1

ゼビアックスの使い方は1日1回、洗顔後に患部へ薄くのばす

用法は1日1回です1。1日に何度も塗る薬ではありません。基本の手順は次のとおりです。

  • タイミング:洗顔して肌の汚れと皮脂を落としてから塗ります。夜の洗顔後など、1日1回のタイミングを決めると塗り忘れを防げます。
  • 塗る範囲:ニキビのある部分を中心に、その周囲も含めて薄くのばします。点で乗せるより、患部全体に均一にのばすイメージです。
  • 量:ローションタイプなので少量でのびます。つけすぎは刺激の原因になります。
  • 順番:ほかの塗り薬や保湿剤と併用する場合の順番は、自己判断せず処方時に医師・薬剤師へ確認してください。
  • 使用期間:炎症が落ち着いたら、漫然と続けず医師の指示に従って見直します(耐性の項を参照)。

なお油性クリームタイプ(ゼビアックス油性クリーム2%)もあり、こちらも1日1回です1。乾燥しやすい部位や好みに応じて剤形が選ばれます。

ゼビアックスは抗菌薬、過酸化ベンゾイルやアダパレンとは役割が違う

ニキビの塗り薬は大きく「抗菌薬」と「面皰(毛穴のつまり)に効く薬」に分かれます。ゼビアックスやアクアチム(ナジフロキサシン)は抗菌薬で炎症した赤ニキビ向き、ベピオ(過酸化ベンゾイル)やアダパレン(ディフェリン)は毛穴のつまりに作用し予防・維持に使える、という住み分けです。下表で整理します。

薬剤 種類 主な対象 長期維持
ゼビアックス(オゼノキサシン) キノロン系抗菌薬 炎症した赤ニキビ 不向き(短期)
アクアチム(ナジフロキサシン) キノロン系抗菌薬 炎症した赤ニキビ 不向き(短期)
ベピオ(過酸化ベンゾイル) 酸化剤(非抗菌薬) 面皰+炎症 維持に使える
アダパレン(ディフェリン) レチノイド様(非抗菌薬) 面皰(毛穴のつまり) 維持に使える

抗菌薬どうしのオゼノキサシンとナジフロキサシンは同じキノロン系で、いずれも炎症期の短期使用が原則です2。過酸化ベンゾイルやアダパレンは耐性菌をつくらないため、炎症が落ち着いた後の維持治療に使えるのが大きな違いです。

ゼビアックスは炎症が強い時期に短期間、維持期は耐性のため使わない

日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」は、外用抗菌薬(クリンダマイシン、ナジフロキサシン、オゼノキサシン)を炎症性ニキビに推奨する一方で、いずれも急性の炎症期に限った短期使用にとどめ、症状が落ち着いた維持期には使わない方針を示しています2。抗菌薬は面皰(毛穴のつまり)には効かず、長く使い続けると耐性菌が生まれるリスクがあるためです。

耐性菌を増やさないために:「効いたから」と自己判断で長期間塗り続けたり、よくなったり悪くなったりするたびに塗ったりやめたりを繰り返すと、薬の効きにくい菌が増える原因になります。炎症が落ち着いたら過酸化ベンゾイルやアダパレンなどの維持治療へ切り替える、という流れを医師と相談して決めるのが安全です2

ゼビアックスは処方薬で市販されていない、個人輸入は避ける

ゼビアックスローションは医師の診察を経て処方される医療用医薬品で、ドラッグストアなどで市販はされていません。入手するには皮膚科などの医療機関を受診します。費用は保険診療であれば薬剤費の自己負担分のみですが、保険適用の可否や金額は診療内容によって異なります。

個人輸入を避ける理由:海外通販や個人輸入の代行サイトで入手した医薬品は、品質・保管状態・真贋が保証されず、偽造品や成分量の異なる製品が混じるリスクがあります。抗菌薬は使い方を誤ると耐性菌や副作用につながるため、必ず医師の診察を受けて入手してください。
ニキビの治療薬は医師の診察を受けてから
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ゼビアックスローションのよくある質問

ゼビアックスはどのくらいで効きますか。

塗ってすぐ赤みが消えるわけではなく、一般に数週間かけて炎症が落ち着いていきます。市販後調査では12週時点で顔面の73.0%が改善と判定されています3。変化がない・悪化する場合は医師に相談してください。

1日に何回塗ればいいですか。

1日1回です1。回数を増やしても効果が高まるわけではなく、皮膚刺激の原因になります。洗顔後に塗るのが基本です。

妊娠中や授乳中でも使えますか。

使用の可否は個々の状況で判断が必要です。妊娠中・授乳中、または妊娠の可能性がある場合は、自己判断せず必ず処方時に医師へ伝えてください。

化粧(メイク)はしてもいいですか。

塗布後の化粧の可否やタイミングは肌の状態によります。処方時に医師・薬剤師へ確認するのが確実です。

市販のニキビ薬と同じものですか。

違います。ゼビアックスは処方が必要な医療用の抗菌薬で、市販されていません。市販品で改善しないニキビは皮膚科の受診を検討してください。

参考文献

1 ゼビアックスローション2%/ゼビアックス油性クリーム2% 電子添文・医薬品情報(オゼノキサシン)独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) リンク
2 日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023 リンク
3 オゼノキサシンローション(ゼビアックスローション2%)の炎症性ざ瘡患者を対象とした使用成績調査 日本臨床皮膚科医会雑誌(Journal of Clinical Dermatology)39巻3号 リンク
4 オゼノキサシンローションの薬理プロファイルと尋常性ざ瘡・表在性皮膚感染症に対する臨床効果 PubMed(27430678) リンク

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