ニキビ

アダパレン(ディフェリン)は毛穴の詰まりに効く外用薬で、塗り始めの乾燥・皮むけは2〜4週で落ち着く

内海

アダパレンは、商品名「ディフェリンゲル0.1%」で処方されるニキビ(尋常性痤瘡)の外用治療薬です。ビタミンA誘導体の一種で、毛穴の詰まり(面皰)に働きかけ、ニキビができる前の段階を抑えます。日本皮膚科学会のガイドラインでも炎症性・非炎症性ニキビの第一選択として強く推奨されています2。一方で、塗り始めの数週間は乾燥・皮むけ・ヒリヒリといった刺激が出やすく、国内の臨床試験では皮膚乾燥が37.0%に見られました1。多くは軽度で、2〜4週ほどで落ち着いていきます。妊娠中・授乳中は使えません。この記事では効果・副作用・使い方、ベピオやデュアックとの違い、市販で買えるかまでをまとめます。

アダパレン(ディフェリン)は毛穴の詰まりを取り除いてニキビの初期段階を抑える外用薬

アダパレンは、レチノイド(ビタミンA誘導体)と呼ばれる成分です。ディフェリンゲル0.1%として、2008年に日本で承認されました。効能・効果は「尋常性痤瘡」、つまりニキビです1

ニキビは、毛穴の出口の角質が厚くなって毛穴が詰まる「面皰(コメド)」から始まります。詰まった毛穴の中で皮脂がたまり、アクネ菌が増えて炎症を起こすと、赤ニキビ・膿をもったニキビへと進みます。アダパレンは、この出発点である「毛穴の詰まり」に働きかけるのが特徴です。すでにできた赤ニキビを直接消す薬というより、新しいニキビができる流れをせき止めるイメージに近い薬です。

アダパレンは表皮の角化を整えて面皰を作りにくくすることで効く

アダパレンは、皮膚の細胞にあるレチノイン酸受容体に結合し、表皮の角化細胞(角質を作る細胞)の働きを整えると考えられています1。毛穴の出口でおきる過剰な角化がゆるみ、角質が詰まりにくくなることで、面皰の形成を抑えます。

言いかえると、毛穴の「フタ」ができにくくなり、できかけの小さな詰まりもほどけやすくなります。その結果、ニキビが炎症を起こす前の段階で数を減らせるため、新しいニキビの予防と、できているニキビが悪化するのを抑える両方に働きます。アクネ菌を直接殺す抗菌薬とは作用の仕組みが異なる点がポイントです。

アダパレンの効果は2〜4週で面皰に変化が出始め、十分な実感までは数か月かかる

アダパレンは塗ってすぐ赤ニキビが消えるタイプの薬ではありません。毛穴のターンオーバーに働きかけるため、変化を感じるまでに時間がかかります。一般に、塗り始めから数週間は刺激のほうが先に出て、ニキビ自体の減少を実感するのはその後になります。

  • 最初の1〜2週:乾燥・皮むけ・ヒリヒリなどの刺激が出やすい時期。ニキビが一時的に増えたように見えることもあります。
  • 2〜4週ごろ:肌が薬に慣れ、刺激が落ち着いてくる時期。面皰が減り始める人もいます。
  • 1〜3か月:ニキビの数の減少を実感しやすくなる時期。経過を見ながら継続します。
  • その後:新しいニキビを抑える「維持療法」として、医師の指示で塗り続けることが多いです。
途中でやめないことが大切:塗り始めの刺激でやめてしまうと、毛穴の詰まりが戻り、ニキビが再発しやすくなります。刺激がつらいときは自己判断で中止せず、塗る頻度や保湿について医師に相談してください。

アダパレンの副作用は塗り始めの乾燥・皮むけ・ヒリヒリが中心で、多くは軽度

アダパレンの副作用は、塗った場所の皮膚症状(局所反応)が中心です。国内の臨床試験(顔面に軽症〜中等症のニキビがある患者が対象)では、アダパレン群で次のような副作用がみられました。いずれも程度は軽度と報告されています1

症状 発現率(国内試験) 性質
皮膚乾燥 37.0% 軽度・塗り始めに多い
皮膚剥脱(皮むけ) 18.0% 軽度
皮膚不快感(ヒリヒリ等) 16.0% 軽度
紅斑(赤み) 8.0% 軽度
そう痒症(かゆみ) 5.0% 軽度
皮膚刺激 4.0% 軽度

これらの局所反応は塗り始めの時期に多く、肌が慣れてくると軽くなっていくのが一般的な経過です1。保湿をしっかり行う、最初は塗る量や頻度を控えめにするといった工夫で和らげられることがあります。重い副作用はまれですが、強い赤みやかぶれが続く場合は使用を中止して受診してください。

紫外線への注意:使用中は日焼けで刺激が強まることがあります。日中は日焼け止めを使い、強い日差しを避けてください。また、目・口・小鼻のまわりなど皮膚の薄い部分は刺激が出やすいため、塗る際に量や範囲に注意します。

アダパレンとベピオ・デュアック・エピデュオは作用の仕組みと得意分野が異なる

ニキビの外用薬にはいくつか種類があり、それぞれ働き方が違います。アダパレン(ディフェリン)は毛穴の詰まりに効くレチノイド、ベピオは角質剥離と殺菌の過酸化ベンゾイル、デュアックは過酸化ベンゾイル+抗菌薬、エピデュオはアダパレン+過酸化ベンゾイルの合剤です。

薬剤 主成分 主な働き 得意な相手
ディフェリン(アダパレン)ディフェリン(アダパレン) アダパレン 毛穴の詰まりを整える 面皰(白・黒ニキビ)中心
ベピオベピオ 過酸化ベンゾイル 角質を剥がす+アクネ菌の殺菌 面皰・赤ニキビ両方
デュアック 過酸化ベンゾイル+クリンダマイシン 殺菌+抗菌・抗炎症 炎症した赤ニキビ
エピデュオ アダパレン+過酸化ベンゾイル 詰まり対策+殺菌の両取り 面皰・赤ニキビの混在

ざっくり整理すると、毛穴の詰まりや白ニキビが目立つならアダパレン、赤く炎症したニキビが多いならデュアックのような抗菌薬入り、両方しっかり攻めたいならエピデュオ、という使い分けになります。アダパレンと過酸化ベンゾイルはどちらも角質に働くため、エピデュオのような合剤は刺激(乾燥・皮むけ)が強めに出やすい傾向があります。実際にどれを使うかは、ニキビの種類・量・肌質をみて医師が判断します。

アダパレンは面皰の多いニキビに向き、妊娠中・授乳中の人は使えない

アダパレンが向いているのは、白ニキビ・黒ニキビ(面皰)が多く、新しいニキビを繰り返しやすい人です。炎症が落ち着いた後に再発を防ぐ「維持療法」にも使われます。

一方で、次に当てはまる人は使用できない、または慎重な判断が必要です。

  • 妊娠中・妊娠の可能性がある人:ビタミンA誘導体による胎児への影響(催奇形性)のリスクを考慮し、使用できません(禁忌)1
  • 授乳中の人:使用しないことが望ましいとされています。必要な場合は授乳を避けるなど医師の指示に従ってください1
  • 肌が非常に敏感・湿疹やかぶれがある人:刺激が強く出ることがあるため、医師に相談のうえ慎重に使います。
妊娠を考えている場合:アダパレンはレチノイドのため、妊娠中は使えません。妊娠の可能性がある時期に使う場合は、必ず事前に医師へ伝えてください。

自分のニキビにアダパレンが合うか、ベピオや合剤のほうが向くかは、肌の状態を診たうえでの判断が安全です。塗り始めの刺激対策(保湿や塗り方の調整)も含めて、皮膚科でのオンライン診療で相談できます。

アダパレンは市販では買えず、医師の処方が必要で、個人輸入は避けるべき

アダパレン(ディフェリンゲル0.1%)は医療用医薬品で、ドラッグストアなどの市販では入手できません。使うには医師の診察を受け、処方してもらう必要があります。皮膚科の対面診療のほか、オンライン診療でも処方を受けられる場合があります。

費用は保険診療(ニキビ治療として保険適用)で処方されることが多く、自己負担は薬剤費+診察料が目安です。具体的な金額は医療機関やプランによって異なります。

個人輸入を避ける理由:海外通販や個人輸入の代行サイトでアダパレン製剤が見られることがありますが、品質や成分量が保証されず、偽造品や保管状態の悪い製品が届くリスクがあります。アダパレンは妊娠中は使えないなど使い方の注意も多く、医師の診察なしに自己判断で使うのは危険です。必ず国内の医療機関で処方を受けてください。
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アダパレン(ディフェリン)に関するよくある質問

塗り始めにニキビが増えた気がします。失敗ですか。

塗り始めの時期に、隠れていた面皰が表面化して一時的にニキビが増えたように見えることがあります。多くは経過とともに落ち着いていきますが、強い刺激や悪化が続く場合は自己判断でやめず、医師に相談してください。

1日に何回、いつ塗ればいいですか。

一般的には1日1回、洗顔後の清潔な肌に塗ります。塗る量・タイミング・他の薬との併用は処方時の指示に従ってください。塗りすぎても効果が高まるわけではなく、刺激が強くなるだけです。

乾燥や皮むけがつらいときはどうすればいいですか。

保湿剤を併用する、最初は塗る範囲や頻度を控えめにするといった工夫で和らぐことがあります。具体的な調整は医師に相談してください。我慢して刺激の強い状態を続ける必要はありません。

ベピオとどちらがいいですか。

毛穴の詰まりが中心ならアダパレン、赤ニキビや殺菌も狙うならベピオ、という使い分けが基本です。どちらが合うかは肌の状態によるため、診察で判断してもらうのが確実です。

妊娠中でも使えますか。

使えません。アダパレンはビタミンA誘導体で、胎児への影響を考慮して妊娠中は禁忌です1。妊娠の可能性がある場合は必ず医師に伝えてください。

参考文献

1 ディフェリンゲル0.1% 電子添文(医薬品医療機器総合機構 PMDA) リンク
2 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023(日本皮膚科学会) リンク

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