シミ

ハイドロキノンが効くのは老人性色素斑。肝斑には塗らず飲み薬が正解

内海

ハイドロキノンは、シミの色を作る「メラニン」を抑えて、今あるシミを薄くできる数少ない塗り薬です。ただし、すべてのシミに効くわけではなく、シミの種類によって効く・効かないがはっきり分かれます。この記事では、あなたのシミに本当に効くのかを見分けるところから、効果・濃度の選び方・正しい使い方・トレチノイン併用・経過・他の治療との比較まで解説します。

ハイドロキノンがシミに効くのは、メラニンに「ダブル」で働きかけるから

シミは、紫外線などの刺激で「メラニン」という色素が肌にたまった状態です。ハイドロキノンは、メラニンを作る酵素チロシナーゼをブロックし、さらにメラニンを作る細胞そのものにも作用します。「これ以上濃くさせない(予防)」と「今あるシミを薄くする(還元)」の2つを同時にできるのが、他の美白成分にない強みです1

ハイドロキノンの作用機序。メラニンを作る酵素チロシナーゼをブロックする
ハイドロキノンの作用機序。メラニンを作る酵素チロシナーゼをブロックする

仕組みをさらに詳しく知りたい方はハイドロキノンの作用機序をくわしくもどうぞ。

ハイドロキノンが効くのは老人性色素斑。肝斑には塗らずに飲み薬が正解

ここが一番大事です。まず、自分のシミがどのタイプかを見分けてください。タイプによって、塗り薬で十分か、飲み薬やレーザーを足すべきかが変わります。

老人性色素斑(日光性のシミ)

老人性色素斑(日光性のシミ)

輪郭がくっきりした茶色い斑点。頬骨・こめかみ・手の甲によく出る、いちばん多いシミ。

ハイドロキノンが得意

肝斑

肝斑

頬に左右対称で、もやっと薄く広がる。30〜40代の女性に多い。こするとかえって悪化する。

塗るより飲み薬が第一選択

そばかす(雀卵斑)

そばかす(雀卵斑)

小さな点が鼻〜頬に散らばる。子どもの頃からあり、遺伝的要素が強い。

単体では薄くなりにくい

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着

ニキビや傷のあとが茶色く残ったもの。時間とともに薄くなることも。

ハイドロキノンが有効

種類ごとの「効く・効かない」を一覧にすると次のとおりです。

シミの種類 ハイドロキノン
(塗り)
内服
(トラネキサム酸等)
レーザー
老人性色素斑
肝斑 △ 補助 △ 悪化注意
そばかす
炎症後色素沈着

とくに肝斑にハイドロキノンをゴシゴシ塗るのは逆効果になりがちです。肝斑が疑わしい人は肝斑の正しい治し方を先に読んでください。

効果を実感できるのは2〜3か月後。すぐには白くならない

ハイドロキノンは肌の生まれ変わり(ターンオーバー)に合わせて効くため、塗ってすぐ白くはなりません。経過の目安はこうです。

  • 〜2週間:見た目の変化はほぼなし。肌が慣れる時期で、赤み・乾燥が出ることも
  • 3〜4週間:早い人はシミの輪郭がややぼやけ始める
  • 2〜3か月:多くの人が「薄くなった」と実感しやすい時期1
  • 3か月以降:変化が止まったら一度お休みし、医師に経過を確認
ハイドロキノン使用の経過イメージ(0→4→8→12週)
ハイドロキノン使用の経過イメージ(0→4→8→12週)

スマホで同じ角度・同じ明るさの経過写真を2週間おきに撮ると、変化が分かりやすくなります。実際の経過はハイドロキノンの経過写真と効果で紹介しています。

市販で効かないのは濃度のせい。本気なら医療機関の4%以上

「市販で試したけど効かなかった」の多くは、濃度不足が原因です。市販と医療機関の最大の違いは濃度です。

市販(ドラッグストア・通販) 医療機関
濃度 〜2%程度 4%〜(5%以上も)
効果の出方 ゆっくり・マイルド しっかり
刺激 弱め 強め(要管理)
向いている人 予防・ごく薄いシミ 濃いシミ・本気で薄くしたい

濃度が高いほど効果も刺激も上がります。はじめての人ほど、医師の管理下で濃度を選ぶのが失敗しにくいです。

正しい使い方は「夜・点づけ・保湿・朝は日焼け止め」の4ステップ

1
夜、洗顔・化粧水のあとに使う
光と空気で酸化しやすいため、基本は夜のケアで使います。
2
シミ部分にピンポイントで米粒大
顔全体ではなく、気になるシミの上だけに少量を点で乗せます。
3
上から保湿でフタをする
乾燥しやすいので、保湿クリームでカバーします。
4
朝は必ず日焼け止め
使用中は紫外線に敏感に。塗らないと逆にシミが濃くなることがあります。

赤み・ヒリつきは使い始めによくある反応です。強い場合は1〜2日あけ、量を減らして再開します。腫れや強いかゆみが続くときは中止して医師に相談してください。

いちばん注意すべき副作用は「白斑」。高濃度の長期使用で起こる

多くは軽い刺激・かゆみ・乾燥ですが、知っておくべきリスクが一つあります。

白斑(色が抜ける):高濃度を長期間使い続けると、逆にその部分の色が抜けてしまうことがあります1。これを避けるため、自己判断で濃いものをだらだら使い続けないこと、一定期間で休止をはさむことが大切です。

そのほか、体質や濃度により赤み・かぶれが出ることがあります。少量から試し、合わなければ濃度を下げましょう。詳しくはハイドロキノンの副作用と対処法にまとめています。

トレチノインと併用すると、薄くなるスピードが上がる

ハイドロキノン単体はメラニンを「作らせない」働きで、今あるシミをゆっくり薄くします。ここにトレチノインを足すと、古い角質やメラニンを「外に押し出す」働きが加わり、二段構えで薄くなるスピードが上がります。そのぶん赤むけ・皮むけが出やすく、濃いシミ向けの本格ケアです。

併用は刺激が強いため、トレチノイン×ハイドロキノンの正しい併用方法を確認し、医師の指示に沿って進めてください。

通院が面倒・肝斑かもしれない人は、塗るより飲み薬が向く

シミ対策は塗り薬だけではありません。手軽さ・費用・即効性で向き不向きがあります。

塗り薬
(ハイドロキノン)
飲み薬
(内服)
レーザー
手軽さ ◎ 自宅 ◎ 自宅 △ 通院
費用感 低〜中 低〜中 高め
効果までの早さ △ 2〜3か月 △ 数か月 ◎ 早い
肝斑への相性肝斑への相性 × 悪化注意
ダウンタイム なし なし あり

とくに肝斑にはトラネキサム酸の内服が第一選択で、ビタミンC(シナール)やグルタチオンを組み合わせると、メラニンを「作らせない」働きを底上げできます。通院が面倒な人や肝斑が気になる人は、飲み薬を軸にするのが現実的です。

飲んで内側からシミ・肝斑にアプローチ
トラネキサム酸錠 250mg 90錠

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肝斑の改善による美白効果ほか、炎症による痛みや腫れを抑える内服薬。

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シナール配合錠 90錠

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シミの原因となるメラニン色素の生成を抑え、コラーゲン生成を助けるビタミン剤。

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グルタチオン錠 100mg 90錠

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抗酸化作用で肌の酸化(くすみ)を予防する美白サポート成分。

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ハイドロキノンのよくある質問

ハイドロキノンは毎日使っていいですか?

基本は夜に毎日使いますが、刺激が強いときは間隔をあけます。肌の様子を見ながら調整してください。

市販と医療機関、どちらを選べばいい?

ごく薄いシミ・予防なら市販(〜2%)でも。濃いシミを本気で薄くしたいなら医療機関の高濃度が向きます。

使うのをやめたら戻りますか?

紫外線対策を怠ると再び濃くなることがあります。薄くなったあとも日焼け止めでの予防を続けましょう。

妊娠中でも使えますか?

妊娠中・授乳中は自己判断での使用を避け、医師に相談してください。

まとめ:シミの種類を見極めれば、ハイドロキノンは強い味方

ハイドロキノンは今あるシミを薄くできる数少ない成分ですが、効くのは老人性色素斑や炎症後色素沈着で、肝斑には内服が第一選択です。効果が出るまで2〜3か月、夜に使う・日焼け止め必須・濃度を上げすぎないのがコツ。塗り薬が合わない人や肝斑が気になる人は、トラネキサム酸などの内服を軸にする方法もあわせて検討してください。

参考文献

1 日本皮膚科学会「しみ(肝斑・後天性真皮メラノサイトーシスなど)Q&A」 リンク

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