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デュタステリドの副作用は勃起不全やリビドー減退が中心、国内試験での発現率と続く期間を数値で確認

内海

デュタステリドで報告される副作用は、勃起不全・リビドー(性欲)減退・射精障害といった性機能に関するものが中心です。国内の長期投与試験では勃起不全が10.8%、リビドー減退が8.3%に報告されましたが1、多くは飲み始めの数週間から数ヶ月に現れ、服用を続けるなかで、あるいは中止後に軽くなっていく傾向があります。重い副作用はまれですが、デュタステリドは体内にとどまる期間(半減期)が3〜5週間と長く、中止しても影響がすぐには消えないという特徴があります2。この記事では、発現率・出る時期・治まり方・フィナステリドとの違いを、添付文書と臨床試験の数値で確認します。

デュタステリドの副作用は性機能関連が中心で、国内長期試験では勃起不全10.8%・リビドー減退8.3%

デュタステリド(先発品ザガーロ)の添付文書には、臨床試験で報告された副作用の発現率が明記されています。試験の種類によって数値が異なるため、代表的な2つを比べてみます。

副作用 国際共同試験
(557例・52週)
国内長期投与試験
(120例)
副作用全体 17.1% 16.7%
勃起不全(ED) 4.3% 10.8%
リビドー減退(性欲低下) 3.9% 8.3%
射精障害 約1%前後 4.2%
精液量減少 1.3%

国内の長期投与試験のほうが数値が高めに出ていますが1、これは長期間・継続して観察したぶん、報告が積み上がりやすいためと考えられます。いずれの試験でも、上位を占めるのは性機能に関する3項目です。逆にいえば、性機能以外の重い副作用の頻度は低いといえます。

なお、これらは「服用した人の中で報告された割合」であり、必ず起こるものではありません。多くの人は副作用を自覚せずに続けています。

副作用が起こる理由は、男性ホルモンDHTを全身で強く抑えるため

デュタステリドは、テストステロンを「DHT(ジヒドロテストステロン)」という、より強力な男性ホルモンに変える5α還元酵素という酵素をブロックする薬です。AGA(薄毛)の主な原因がこのDHTなので、DHTを減らすことで抜け毛の進行を抑え、髪を太く育て直す方向に働きます。

ポイントは、5α還元酵素にはI型とII型の2種類があり、デュタステリドは両方を抑えること。II型だけを抑えるフィナステリドより、血中のDHTをより強く下げます。髪に対しては有利に働く一方、DHTは性欲や勃起にも関わるホルモンのため、全身でDHTが下がることが性機能の副作用につながると考えられています。効果と副作用は、同じ作用機序の表と裏の関係にあるわけです。

副作用の頻度はフィナステリドより数値上やや高めだが、発毛データは上回る傾向

同じAGA内服薬であるフィナステリドと比べると、性機能の副作用はデュタステリドのほうがやや高い数値で報告されています。一方で、髪に対する変化はデュタステリドのほうが大きいというデータが複数あります。両者を画像付きで並べます。

項目 フィナステリド デュタステリド
抑える酵素 II型のみ I型・II型の両方
リビドー減退 0.7%(国内48週)3 3.9〜8.3%1
勃起不全 0.4%(国内48週)3 4.3〜10.8%1
発毛・毛量の変化 標準的 上回る傾向4,5
日本での承認 2005年 2015年

髪の量を直接比べた研究では、デュタステリド0.5mgがフィナステリド1mgを上回る毛量増加を示したという報告があります4。また両者をまとめた系統的レビューでも、毛の再生と軟毛化の改善でデュタステリドが優位とされています5。ただし副作用の数値も上振れする傾向があるため、「効きを取るか、副作用リスクの低さを取るか」のトレードオフと理解しておくとよいでしょう。どちらが向くかは、薄毛の進行度や体質によって医師と相談して決めます。

性機能の副作用は飲み始めの数週間〜数ヶ月に出やすく、多くは継続中か中止後に軽快

「いつ出て、いつ治まるのか」は多くの人が気にする点です。臨床試験の傾向から、おおよその経過を整理します。

  • 出る時期:勃起不全やリビドー減退は、飲み始めてから数週間〜数ヶ月の比較的早い時期に現れることが多いです。
  • 続く間:服用を続けるうちに体が慣れ、自然と気にならなくなる人もいます。
  • 治まり方:多くは服用を中止すれば回復に向かいます。ただしデュタステリドは半減期が長いため、中止後すぐではなく数週間〜数ヶ月かけて戻っていくのが一般的です。
  • 続く場合:中止後も性機能の不調が長く残ったとする報告もあり、頻度は高くないものの、続くときは自己判断で放置せず医師に相談します。

副作用が出たからといって、自己判断で急にやめると薄毛が再び進むこともあります。つらい症状があるときは、減量や薬の変更を含めて医師と相談するのが安全です。

肝機能の数値異常や乳房症状など、頻度は低いが知っておくべき副作用もある

性機能以外にも、頻度は低いものの注意したい副作用があります。気づいたときに対処できるよう、事前に把握しておきましょう。

肝機能障害:まれに、血液検査で肝臓の数値(AST・ALTなど)が上がることがあります。だるさ・食欲不振・皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)などがあれば、服用を中止して受診してください。
乳房の症状:女性化乳房(乳房が大きくなる・しこり・痛み)が報告されています。乳房の腫れやしこり、分泌物に気づいたら医師に相談してください。
過敏症・むくみ:発疹・かゆみ・じんましん、まれに顔や手足のむくみ(血管浮腫)が起こることがあります。広がる発疹や呼吸のしづらさがあれば早めに受診してください。

また、デュタステリドは前立腺の腫瘍マーカーであるPSAの値を、服用6ヶ月後でおよそ50%下げることが知られています1。前立腺の検査を受けるときは、デュタステリドを飲んでいることを必ず医師に伝えてください。

半減期が3〜5週間と長く、中止後も数ヶ月は体に残る

デュタステリドの大きな特徴が、体内にとどまる時間の長さです。添付文書では、単回投与時の消失半減期が89〜174時間(およそ4〜7日)、繰り返し服用した定常状態での終末相の半減期はおよそ3〜5週間とされています2。半減期とは「血中の薬の量が半分になるまでの時間」のことです。

この長さには、良い面と注意すべき面があります。

  • 良い面:血中濃度が安定しやすく、1日くらい飲み忘れても効きが大きく落ちにくい。
  • 注意点:飲むのをやめても、薬の影響はすぐには消えません。性機能などの副作用が中止後しばらく残ることがあるのは、この半減期の長さが関係します。
  • 献血・妊活への影響:体に残る期間が長いため、中止後も一定期間は配慮が必要です(下記の警告参照)。
献血は中止後6ヶ月空ける:デュタステリドの成分が血液中に長く残るため、服用中および中止後一定期間(一般に6ヶ月程度)は献血を控えるよう求められています。輸血を受けた妊婦の胎児への影響を避けるための措置です。

妊娠中・妊娠の可能性がある女性は、カプセルに触れることも避ける

女性・小児は服用も接触も禁止:デュタステリドは男性ホルモンを抑える薬で、妊娠中の女性が成分を吸収すると、男の子の胎児の生殖器の発育に影響する恐れがあります。妊娠中・妊娠の可能性がある女性や小児は服用できません。カプセルが破損した場合は中身に触れないでください(皮膚から吸収される可能性があるため)。万一触れたら、すぐ石けんと水で洗い流します。

これはデュタステリドが「効く」薬であることの裏返しでもあります。男性が正しく内服するぶんには、これらは保管・取り扱いの注意点として理解しておけば問題ありません。

デュタステリドが向く人と、慎重に考えたい人

効果と副作用の特徴をふまえると、向き不向きは次のように整理できます。最終判断は診察を受けたうえで医師と決めてください。

タイプ 向き・不向き 理由
フィナステリドで変化が物足りなかった人 向いている DHTをより強く抑え、毛量の変化が上回る傾向4,5
しっかりした発毛を優先したい人 向いている I型・II型の両方を阻害
近く妊活を予定しているパートナーがいる人 要相談 精液量・精子数の低下が報告1、半減期も長い
性機能の副作用が心配な人 要相談 性機能の副作用はフィナステリドより数値上やや高め
肝機能に不安がある人 慎重に 肝機能障害の報告があり、定期的な検査が望ましい
女性・未成年 使用不可 胎児への影響・適応外

海外の長期試験では、精液量が約26%、総精子数が約23%、精子運動率が約18%低下したとの報告があります1。多くは中止で回復に向かうとされますが、妊活中・予定中の人は事前に医師へ伝えてください。

値段の目安はオンライン診療で月数千円、市販はなく個人輸入は避ける

デュタステリドのAGA用量(0.5mg)は医師の処方が必要な医療用医薬品で、ドラッグストアなどの市販では取り扱いがありません。入手するには、皮膚科・AGAクリニックの対面診療か、オンライン診療を利用します。費用はジェネリックを使うと月3,000〜8,000円くらいかかるイメージで、クリニックや先発・後発の違いで幅があります。

個人輸入は避ける:海外通販や個人輸入の代行サイトには、有効成分の量が表示と違う・不純物が混じる・偽造品といったリスクがあります。副作用が出ても医師のフォローを受けられず、健康被害が出ても公的な救済制度の対象外になります。デュタステリドは半減期が長く全身に作用する薬だからこそ、医師の診察を受けて入手・服用してください。
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よくある質問

デュタステリドの副作用はどのくらいの確率で出ますか。

国内の長期投与試験では、勃起不全が10.8%、リビドー減退が8.3%、射精障害が4.2%に報告されました1。国際共同試験ではそれぞれ4.3%・3.9%・約1%前後と、より低い数値でした。試験の条件で幅がありますが、多くの人は副作用を自覚せず続けています。

副作用はいつ治まりますか。

性機能の副作用は服用を続けるうちに気にならなくなる人もいますし、中止すれば多くは回復に向かいます。ただし半減期が3〜5週間と長いため2、中止後すぐではなく数週間〜数ヶ月かけて戻るのが一般的です。長引く場合は医師に相談してください。

フィナステリドより副作用が強いのですか。

性機能の副作用の発現率は、数値上デュタステリドのほうがやや高めに報告されています1,3。一方で毛量の変化はデュタステリドが上回る傾向があり4,5、効きと副作用のバランスで選ぶことになります。

飲み忘れたらどうすればいいですか。

半減期が長いため、1日程度の飲み忘れで効きが大きく落ちることは考えにくいです。気づいたときに当日分を1回飲み、2回分をまとめて飲むことは避けます。詳しい対応は処方医の指示に従ってください。

服用中に献血はできますか。

できません。成分が血液中に長く残るため、服用中および中止後一定期間(一般に6ヶ月程度)は献血を控えるよう求められています。輸血を受ける妊婦の胎児への影響を避けるためです。

参考文献

1 ザガーロカプセル0.1mg/0.5mg 添付文書(PMDA) リンク
2 ザガーロカプセル 医薬品リスク管理計画書・薬物動態情報(PMDA) リンク
3 プロペシア錠 添付文書(PMDA 医療用医薬品情報) リンク
4 Superiority of dutasteride over finasteride in hair regrowth and reversal of miniaturization in men with androgenetic alopecia: A randomized controlled open-label, evaluator-blinded study(PubMed) リンク
5 Comparison between dutasteride and finasteride in hair regrowth and reversal of miniaturization in male and female androgenetic alopecia: a systematic review(PMC) リンク

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