シミ

ハイチオール(L-システイン)はシミ・そばかすのメラニンを抑える内服薬、白髪が増える根拠はない

内海

ハイチオールはL-システインを有効成分とする内服薬で、メラニンの生成を抑え、できてしまった黒色メラニンを無色化し、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を後押しすることでシミ・そばかすにはたらきかけます。市販のハイチオールC(ホワイティア/プラスEX)はシミ・そばかすの効能を持つ第3類医薬品で、医療用のハイチオール錠は湿疹やニキビなどの皮膚疾患が対象です。「飲むと白髪が増える」という噂に医学的な根拠はありません。この記事では、作用のしくみ、いつ変化を感じるか、副作用、市販と医療用の違い、他の美白内服との併用までを、添付文書と臨床試験のデータにもとづいて説明します。

ハイチオールはL-システインを主成分とする皮膚・代謝のための内服薬

ハイチオールの有効成分はL-システインという含硫アミノ酸です。体の中ではタンパク質やグルタチオンの材料になり、解毒や代謝の反応で「SH(チオール)基」を供与する役割をもちます。L-システインそのものは食品にも含まれる物質で、薬としては皮膚のトラブルや美白を目的に内服薬・市販薬として使われています。

同じ「ハイチオール」でも、医療用(処方薬)と市販薬で位置づけが異なります。医療用のハイチオール錠は湿疹・ニキビなどの皮膚疾患や放射線障害による白血球減少症が対象で、シミ・そばかすを目的とした効能は持ちません1。一方、ドラッグストアで買える「ハイチオールCホワイティア」「ハイチオールCプラスEX」はL-システインとビタミンCを配合し、しみ・そばかすの効能が認められた第3類医薬品です3

L-システインはチロシナーゼを抑え、黒色メラニンを無色化してシミにはたらく

シミ・そばかすの正体は、肌の奥でつくられて沈着したメラニン色素です。L-システインがシミにはたらきかけるしくみは、おもに次の3つに整理できます。

  • メラニンを作らせない:メラニン生成の中心となる酵素チロシナーゼのはたらきを抑え、紫外線で過剰につくられるメラニンの量を減らします。
  • 黒い色を薄くする:すでにできた黒色メラニン(ユーメラニン)を無色化する方向にはたらき、見た目の色を薄くします。ビタミンCも同じく黒色メラニンを無色化する作用で配合されています3
  • 排出を後押しする:肌の代謝(ターンオーバー)を整え、色素を含んだ古い細胞の排出を助けます。

L-システインの抗メラニン作用は臨床試験でも検討されています。アジア人女性124名を対象にした無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、L-システイン500mgとグルタチオン250mgを12週間併用した群で、顔のシミの面積がプラセボや単剤よりも有意に減少したと報告されています2。ただしこの試験は市販薬より多い用量で行われたものであり、市販薬の効能を保証するものではありません。

シミ・そばかす目的では2回/日を3か月続けるのが目安

市販のハイチオールCはシミ・そばかすに対して1日2回(朝・夜)の服用が推奨されています。肌は生まれ変わるのに時間がかかるため、メーカーは効能の確認のためにおおむね3か月の継続を案内しています3。すぐに白くなるものではなく、ターンオーバーの周期に合わせてゆっくり変化していくイメージで考えてください。

変化が乏しいとき:3か月ほど続けても手応えがない場合や、シミが急に濃くなる・形がいびつといった変化があるときは、肝斑や別の色素性病変の可能性があります。自己判断で飲み続けず、皮膚科を受診してください。

ハイチオールの副作用は吐き気などが中心で、頻度は高くない

医療用ハイチオール錠の添付文書では、報告されている副作用は次の通りで、いずれも重い頻度ではありません1。L-システインは体内にもともと存在するアミノ酸で、比較的使いやすい成分です。

症状 発現頻度 目安
悪心(吐き気) 0.1〜5%未満 最も多い/空腹時を避けると軽減することがある
下痢 0.1%未満 まれ
口渇 0.1%未満 まれ
軽度の腹痛 0.1%未満 まれ

吐き気が出やすい場合は、空腹時を避けて食後に飲むと和らぐことがあります。市販薬は用法・用量を守り、症状が改善しないときや異常を感じたときは服用を中止して薬剤師・医師に相談してください。

妊娠・授乳中、持病がある方:市販薬であっても、妊娠中・授乳中の方や治療中の病気・服用中の薬がある方は、自己判断で始めず医師・薬剤師に相談してください。

市販のハイチオールCはシミ・そばかす対応、医療用ハイチオール錠は皮膚疾患向け

「ハイチオール」と名のつく製品は複数あり、目的と買い方が違います。シミ・そばかすが目的なら市販のハイチオールC系を選ぶことになります。医療用のハイチオール錠は医師の処方が必要で、効能はシミ・そばかすではありません。

項目 市販ハイチオールC 医療用ハイチオール錠
区分 第3類医薬品(薬局・通販で入手可) 医療用医薬品(処方が必要)
主な効能 しみ・そばかす、日やけ等の色素沈着、にきび、全身倦怠 ほか3 湿疹、じん麻疹、尋常性ざ瘡(にきび)ほか/放射線障害による白血球減少症1
L-システイン量 1日量240mg+ビタミンC配合3 1錠40mgまたは80mg(ビタミンC配合なし)1
シミ目的での選択 ◎ こちらが対象 × 効能外

ビタミンCを一緒にとると黒色メラニンの無色化を後押しできるため、シミ目的ではL-システインとビタミンCを配合した市販のハイチオールC系が理にかなっています。価格は製品・容量で幅がありますが、ドラッグストアやオンラインで入手できます。海外からの個人輸入品は成分量や品質の保証がなく、健康被害が出ても国内の救済制度の対象外になるため、国内で正規に流通している製品を選んでください。

「ハイチオールで白髪が増える」という噂に医学的な根拠はない

「L-システインがメラニンを抑えるなら、髪のメラニンも減って白髪になるのでは」という連想から白髪の噂が生まれていますが、ハイチオールの服用で白髪が増えるという臨床報告や添付文書の記載はありません1。むしろL-システインは髪の主成分であるケラチンの材料になるアミノ酸です。市販薬に含まれる用量で、髪の色素にまで影響が及ぶという根拠は確認されていません。理論上の推測と、実際に報告された事実は分けて考えてください。

トラネキサム酸やビタミンCとの併用は目的に応じて選ぶ

美白を目的とした内服はL-システインのほかにもあり、狙いが異なります。シミ・そばかす全般にはL-システイン+ビタミンC、肝斑にはトラネキサム酸が使われることが多い、という整理が基本です。併用の可否や組み合わせは、持病や服用薬との関係もあるため自己判断で増やしすぎず、医師・薬剤師に相談すると安心です。

成分 主な狙い 位置づけ
ハイチオール(L-システイン) シミ・そばかす、代謝 メラニン生成抑制と無色化、ターンオーバー
トラネキサム酸 肝斑 メラノサイトの活性化を抑える方向。L-システインと併用される配合薬もある
シナール(ビタミンC配合) 色素沈着の補助 黒色メラニンの無色化・抗酸化。L-システインと相性がよい
グルタチオン 美白の補助 抗酸化。L-システインはグルタチオンの材料にもなる

シミの種類によって向く治療は変わります。自分のシミが肝斑なのか、そばかすなのか判断がつかないときや、内服を続けても変化が乏しいときは、皮膚科で診断を受けてから方針を決めるのが近道です。

シミ・肝斑の治療薬は医師の診察を受けてから
ハイチオール錠80 90錠

ハイチオール錠80 90錠
L-システインの働きでシミ・そばかす、肌荒れ、二日酔いなどを改善。

商品を見る →

シナール配合錠 90錠

シナール配合錠 90錠
シミの原因となるメラニン色素の生成を抑え、コラーゲン生成を助けるビタミン剤。

商品を見る →

トラネキサム酸錠 250mg 90錠

トラネキサム酸錠 250mg 90錠
肝斑の改善による美白効果ほか、炎症による痛みや腫れを抑える内服薬。

商品を見る →

ミライメディカルクリニック公式オンラインストア

ハイチオールについてよくある質問

ハイチオールはどのくらいで効果が出ますか。

市販のハイチオールCは1日2回の服用で、肌の生まれ変わりに合わせておおむね3か月続けることが目安とされています3。すぐに白くなるものではなく、変化はゆるやかです。

市販のハイチオールと処方薬はどちらがシミに向きますか。

シミ・そばかすが目的なら、その効能をもつ市販のハイチオールC系が対象です。医療用ハイチオール錠は湿疹やにきびなどが効能で、シミの効能はありません1

白髪が増えるって本当ですか。

ハイチオールの服用で白髪が増えるという臨床報告や添付文書の記載はありません1。理論的な連想から生まれた噂で、医学的な根拠は確認されていません。

他の美白サプリや薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか。

L-システインはビタミンCやトラネキサム酸と併用される配合薬もありますが、持病や服用中の薬がある場合は組み合わせを自己判断で増やさず、医師・薬剤師に相談してください。

参考文献

1 久光製薬 ハイチオール錠40・80 添付文書(効能・効果、用法・用量、副作用) リンク
2 Duperray J, et al. The effects of the oral supplementation of L-Cystine associated with reduced L-Glutathione-GSH on human skin pigmentation: a randomized, double-blinded, benchmark- and placebo-controlled clinical trial. J Cosmet Dermatol. 2022. PMID: 33834608 リンク
3 ハイチオールCホワイティア 製品情報(一般用医薬品データベース/成分・効能) リンク

関連記事

記事URLをコピーしました