ニキビ

エピデュオゲルは2つの有効成分でニキビに働く配合薬、総皮疹の減少率は82.7%で刺激はやや強め

内海

エピデュオゲルは、毛穴の詰まりを防ぐアダパレン0.1%と、アクネ菌を殺菌する過酸化ベンゾイル2.5%を1本に配合した、医療用のニキビ治療薬です1。国内の臨床試験では、12週間の使用で総皮疹数(ニキビの数)が中央値で82.7%減少し、アダパレン単剤の68.6%を統計学的に有意に上回りました2。一方で2成分が同時に働くぶん肌への刺激は単剤より強く、副作用の発現率は12.7%と、アダパレン単剤の3.0%、過酸化ベンゾイル単剤の6.7%より高い数字です1。刺激の多くは使い始めの2週間以内に出て、軽度かつ一過性であることが試験で確認されています2。この記事では、エピデュオゲルの効果のデータ、副作用が出る時期と確率、ディフェリン・ベピオとの違い、正しい使い方を、添付文書と臨床試験の数値に沿って整理します。

エピデュオゲルはアダパレンと過酸化ベンゾイルを1本にまとめた配合外用薬です

エピデュオゲルは、尋常性ざ瘡(ニキビ)の治療薬として2016年に国内承認された外用ゲルです2。中身は、ディフェリンゲルの有効成分であるアダパレン0.1%と、ベピオゲルの有効成分である過酸化ベンゾイル2.5%の2つで、それぞれ単剤として使われてきた薬を1本に配合したものです1

日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、アダパレンと過酸化ベンゾイルの配合剤は炎症性皮疹(赤ニキビ)・面皰(白ニキビ・黒ニキビ)のいずれにも強く推奨される治療法に位置づけられています3。塗り薬を2本使い分ける必要がなく、1日1回・1本で済む点が実用上の特徴です。

エピデュオゲルは「毛穴詰まりの予防」と「アクネ菌の殺菌」を同時に進めるため、ニキビの進行段階を問わず働きます

ニキビは「毛穴の出口の角質が厚くなって詰まる→皮脂がたまって白ニキビになる→アクネ菌が増殖して赤く炎症を起こす」という順番で進みます。エピデュオゲルの2成分は、この流れの別々の段階を受け持ちます。

  • アダパレン:毛穴の出口で角質が厚くなる「角化」を抑え、詰まりの元である面皰(コメド)ができるのを防ぎます。ニキビの「入口」を断つ成分です。
  • 過酸化ベンゾイル:分解時に発生する活性酸素でアクネ菌を殺菌し、あわせて古い角質をはがすピーリング様の作用も持ちます。抗菌薬と違って耐性菌が生じにくいとされる点が特徴です3

白ニキビにはアダパレン、赤ニキビには過酸化ベンゾイルが主に対応するため、白ニキビと赤ニキビが混在している肌に1本で対応できるのが配合剤の設計意図です。

エピデュオゲルの総皮疹数減少率は12週間で82.7%、アダパレン単剤の68.6%を上回りました

日本人の尋常性ざ瘡患者417例を対象にした国内第III相比較試験では、12週間の使用で次の結果が出ています2

  • 総皮疹数の減少率(中央値):エピデュオゲル82.7%、アダパレン0.1%ゲル68.6%、過酸化ベンゾイル2.5%ゲル81.6%2。エピデュオゲルはアダパレン単剤に対して優越性が検証されました。
  • 炎症性皮疹(赤ニキビ)の減少率:エピデュオゲル84.6%、アダパレン単剤71.4%、過酸化ベンゾイル単剤86.7%2
  • 非炎症性皮疹(白ニキビ)の減少率:エピデュオゲル82.8%、アダパレン単剤68.6%、過酸化ベンゾイル単剤78.8%2
  • 効果が見え始める時期:アダパレン単剤との差は使用1週目から統計学的に有意で、その差は12週目まで持続しました2

なお、総皮疹数の減少率では過酸化ベンゾイル単剤との間に有意な差は認められていません2。エピデュオゲルの強みは「赤ニキビと白ニキビの両方をカバーしつつ、アダパレン単剤より早く・大きく皮疹を減らした」点にあり、すべての単剤を上回る薬という意味ではありません。この点はデータの通りに理解しておくのが正確です。

エピデュオゲルの副作用は皮膚刺激が中心で、発現率12.7%は単剤より高めですが、多くは開始2週間以内の一過性です

国内第III相試験での副作用発現率は、エピデュオゲル群12.7%(27/212例)に対し、アダパレン単剤群3.0%(3/101例)、過酸化ベンゾイル単剤群6.7%(7/104例)でした1。2成分が同時に働くぶん、刺激は単剤より明確に多く出ます。内訳と経過は次の通りです。

  • 何が出るか:最も多いのは皮膚刺激で10.4%(22/212例)1。そのほか紅斑(赤み)、皮膚疼痛、そう痒症(かゆみ)、皮膚剥脱(皮むけ)、皮膚乾燥などが報告されています1
  • いつ出るか:局所の刺激症状は治療開始から2週間以内に発生することが多いとされています2
  • いつ治まるか:重症度はほとんどが軽度から中等度で、一過性であり、使用を続けるうちに消失・軽減が認められています2

つまり「最初の2週間がいちばんつらい薬」であり、この時期を保湿などでしのげるかどうかが継続の分かれ目になります。赤み・ヒリつきが強くて日常生活に支障が出る場合は、自己判断でやめる前に処方した医師に相談してください。塗る量を減らす、隔日にする、単剤に切り替えるといった調整の選択肢があります。

妊娠中は使用できません:エピデュオゲルは、妊婦または妊娠している可能性のある女性には禁忌(使用不可)です1。アダパレンがレチノイド様物質であるためです。妊娠の可能性がある場合は、処方時に必ず医師に伝えてください。授乳中の使用も医師との相談が必要です1

エピデュオゲルとディフェリン・ベピオの違いは「配合か単剤か」で、効果のデータと刺激の強さが変わります

3剤は同じ試験の中で直接比較されているため、数字でそのまま並べられます12

項目 エピデュオゲル ディフェリンゲル(アダパレン) ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)
有効成分 アダパレン0.1%+過酸化ベンゾイル2.5%1 アダパレン0.1% 過酸化ベンゾイル2.5%
総皮疹数減少率(12週・中央値) 82.7%2 68.6%2 81.6%2
赤ニキビ(炎症性皮疹)の減少率 84.6%2 71.4%2 86.7%2
白ニキビ(非炎症性皮疹)の減少率 82.8%2 68.6%2 78.8%2
副作用発現率 12.7%1 3.0%1 6.7%1
耐性菌の懸念 生じにくい 生じにくい 生じにくい
妊娠中の使用 禁忌1 使用不可(アダパレン含有) 医師と要相談

整理すると、刺激への耐性に自信がなければ単剤から、白ニキビと赤ニキビが混在していて早く減らしたければ配合剤から、という考え方が成り立ちます。実際の選択は皮疹のタイプ・重症度・肌質を診たうえでの医師の判断になります。

エピデュオゲルの正しい使い方は1日1回、夜の洗顔後に塗る方法です

添付文書上の用法は「1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。夕方から就寝前に使用する」です1。朝晩2回塗っても効果が上がるという用法は承認されておらず、刺激が増えるだけなので守ってください。

  • 夜・洗顔後に塗る:洗顔して水分を拭き取ったあと、ニキビのある部位に薄くのばします。目の周り・口唇・鼻の粘膜は避けます。
  • 保湿を組み合わせる:乾燥・皮むけが刺激の引き金になるため、保湿剤との併用が一般的に指導されます。順番や種類は処方時の指示に従ってください。
  • 朝は洗い流して紫外線対策:翌朝は通常通り洗顔し、日中は日焼け止めなどで紫外線を避けるのが基本のケアです。
  • 最初の2週間は様子見期間:刺激症状が出やすい時期です2。赤みやヒリつきが出ても軽度なら継続で軽快することが多いですが、つらければ医師に相談してください。
髪・衣類・寝具の漂白に注意:エピデュオゲルに含まれる過酸化ベンゾイルには漂白作用があり、髪や衣料などに付着すると色が抜けることがあります1。就寝前に使う薬なので、枕カバーやタオルは白っぽいものにする、塗ったあとは手をよく洗う、といった対策が現実的です。

エピデュオゲルが向くのは白ニキビと赤ニキビが混在する人で、肌が極端に敏感な人や妊娠中の人には向きません

試験データと添付文書の内容から、向き不向きは次のように整理できます。

  • 向いている人:白ニキビ(コメド)と赤ニキビが混在している人。2剤を別々に塗り分けるのが面倒で続かなかった人。アダパレン単剤で変化が物足りなかった人(単剤に対する優越性が検証されています2)。
  • 慎重になるべき人:もともと乾燥肌・敏感肌で、外用薬の刺激に弱い自覚がある人。副作用発現率は単剤より高いため1、まず単剤から始めて段階的に切り替える選択肢を医師と相談する価値があります。
  • 使えない人:妊婦または妊娠している可能性のある女性(禁忌)1。本剤の成分で過敏症を起こしたことがある人1

エピデュオゲルは保険適用の処方薬で、市販では入手できず、個人輸入は避けるべきです

エピデュオゲルは医師の処方が必要な医療用医薬品で、皮膚科などを受診すれば保険適用で処方されます。ドラッグストアでの市販はされておらず、同じ成分の市販薬もありません。

海外の通販サイトなどから個人輸入する方法が紹介されていることがありますが、おすすめしません。理由は3つあります。

  • 偽造品・品質の問題:個人輸入の医薬品は正規流通でないため、有効成分の含量や保管状態が保証されません。
  • 健康被害時の救済がない:個人輸入した医薬品で重い副作用が起きても、国内の医薬品副作用被害救済制度の対象外です。
  • 刺激の強い薬であること:本剤は副作用発現率12.7%1と刺激が出やすい薬で、用量調整や単剤への切り替えといった医師の管理があって初めて使いこなせます。保険診療で正規品が手に入る薬を、わざわざリスクを取って輸入する合理性がありません。
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エピデュオゲルについてよくある質問には、効果が出る時期と刺激への対処の聞かれ方が多いです

効果はいつから実感できますか?

国内試験では、アダパレン単剤との皮疹数の差が使用1週目から統計学的に有意でした2。ただし評価は12週間かけて行われており2、見た目の変化を実感するには週単位〜月単位の継続が前提です。数日で判断せず、まず処方された期間は続けてください。

最初の赤み・皮むけはやめるべきサインですか?

刺激症状は開始2週間以内に出ることが多く、ほとんどが軽度から中等度で、継続中に軽快することが試験で確認されています2。軽い赤み・乾燥なら保湿を強化しつつ継続が基本です。強い痛み・腫れ・広範囲のびらんが出た場合は使用を中止し、処方医に相談してください。

朝も塗ればもっと早く治りますか?

承認された用法は1日1回・夕方から就寝前です1。回数を増やしても有効性が高まるデータはなく、刺激のリスクだけが増えます。

化粧はしてもいいですか?

本剤は夜に塗る薬なので、日中のメイク自体は可能です。ただし刺激が出ている時期は肌が敏感になっているため、こすらないクレンジングと十分な保湿を心がけ、気になる場合は医師に相談してください。

ニキビが減ったらやめていいですか?

日本皮膚科学会のガイドラインでは、炎症が落ち着いたあともアダパレンや過酸化ベンゾイルによる維持療法で再発を防ぐ考え方が示されています3。自己判断で中止せず、減った後の続け方を医師と決めるのが確実です。

参考文献

1 エピデュオゲル 添付文書(PMDA 医薬品医療機器総合機構) リンク
2 エピデュオゲル 申請資料概要・国内第III相臨床試験(PMDA) リンク
3 日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023 リンク

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