ニキビ

デュアック配合ゲルは赤ニキビ・黄ニキビに効く外用薬、過酸化ベンゾイルで耐性菌が出にくい

内海

デュアック配合ゲルは、抗生物質のクリンダマイシンと、酸化作用でアクネ菌を殺菌する過酸化ベンゾイル(BPO)を1つにまとめた、保険適用の塗りニキビ薬です。炎症を起こした赤ニキビ・膿をもった黄ニキビに向き、1日1回の外用を12週間続けて経過をみます1。過酸化ベンゾイルを含むため、クリンダマイシン単独より耐性菌が出にくいのが特徴です2。一方で塗り始めの数週間は乾燥や皮むけ、赤みが出やすく、まれに強い接触皮膚炎が起こります1。この記事では、効果が出る時期・副作用の頻度・ベピオやアダパレンとの違い・耐性の注意までを、添付文書と学会資料の数値で整理します。

デュアック配合ゲルはクリンダマイシン1%と過酸化ベンゾイル3%を配合した尋常性ざ瘡の外用薬

デュアック配合ゲルは、クリンダマイシンリン酸エステル水和物(クリンダマイシンとして1%)過酸化ベンゾイル3%を組み合わせた配合ゲルで、効能・効果は「尋常性ざ瘡(ニキビ)」、適応菌種はアクネ菌とブドウ球菌属です1。2つの成分はニキビへの効き方が異なり、それぞれの弱点を補い合います。

  • クリンダマイシン:アクネ菌のタンパク質合成を妨げて増殖を抑える抗生物質で、炎症をしずめる作用も期待されます3
  • 過酸化ベンゾイル(BPO):皮膚の上で分解されてフリーラジカルを生じ、アクネ菌の構造を酸化して殺菌します。同時に毛穴のつまり(角質)をはがす作用ももちます2

炎症のある赤ニキビ・黄ニキビに作用するタイプで、まだ炎症のない白ニキビ・黒ニキビ(面ぽう)が中心の人には、後述するアダパレンなどが選ばれることもあります。

デュアック配合ゲルが効くのは過酸化ベンゾイルの殺菌と角質をはがす二重の作用による

ニキビは、毛穴のつまりとアクネ菌の増殖、それによる炎症で進みます。デュアックはこの流れに二方向から働きかけます。

  • 菌を減らす:クリンダマイシンと過酸化ベンゾイルの両方がアクネ菌に作用し、菌の数を減らします2,3
  • 毛穴のつまりをとる:過酸化ベンゾイルが角質をはがれやすくし、毛穴の出口のつまりをゆるめます2
  • 炎症をしずめる:クリンダマイシンには白血球の遊走を抑えるなど、炎症を抑える働きも報告されています3

デュアック配合ゲルの変化は数週間から現れ、判定は12週間で行う

添付文書では、塗り始めてからニキビが徐々に減っていく経過がみられ、12週間(約3か月)使っても効果が認められない場合は使用を中止すると定められています1。逆に言えば、数日で劇的に消えるものではなく、数週間かけて少しずつ変化をみていく薬です。塗り始め直後はかえって乾燥や皮むけが出ることがあり、これは効いていないサインではありません。

自己判断で長く塗り続けない:12週間で十分な変化がない場合は、抗生物質を漫然と使い続けず、医師に相談して治療を見直してください。漫然とした長期使用は耐性菌の原因になります4

デュアック配合ゲルの副作用は乾燥・皮むけ・赤みが中心で、多くは塗り始めの時期に出る

国内臨床試験(1日1回投与群、204例)では、副作用は49例(24.0%)に認められました。皮膚に出る主な症状とおおよその頻度は次のとおりです1。いずれも顔に塗る薬として起こりうる局所反応で、多くは使い始めの2週間〜1か月に出やすく、肌が慣れると落ち着いてくる傾向があります。

主な副作用 発現頻度(1日1回群) 目安
皮膚乾燥 7.4% 起こりやすい
接触皮膚炎 5.4% 起こりやすい
紅斑(赤み) 3.9% ときどき
皮膚剥脱(皮むけ) 2.0% 少ない

このほか、刺激感・ほてり・かゆみ・湿疹などが報告されています1。乾燥や軽い皮むけには、刺激の少ない保湿剤を併用して肌のバリアを保つと続けやすくなります。

強い赤み・水ぶくれは中止して受診:添付文書では、紅斑や腫れが顔全体や首にまで広がる症例、水疱・びらんを伴い重症化した接触皮膚炎の報告があります。強い赤み・腫れ・水ぶくれ・ただれが出たら、使用を中止して医師に相談してください1
日焼け・脱色に注意:使用中は日光への曝露を最小限にし、日焼けマシンや紫外線療法は避けます。また過酸化ベンゾイルには漂白作用があり、髪・眉・衣類・枕カバーなどを脱色させることがあります1

デュアック配合ゲルはベピオより抗生物質を含む点、アダパレン配合剤とは作用の方向が違う

同じ過酸化ベンゾイルを使う薬でも、組み合わせる成分で性格が変わります。代表的な3剤を比べます。

製剤 主成分 主な狙い 抗生物質
デュアック配合ゲル クリンダマイシン1%+過酸化ベンゾイル3% 殺菌+抗炎症(赤・黄ニキビ) 含む
ベピオゲルベピオゲル 過酸化ベンゾイル単剤 殺菌+角質はがし 含まない
エピデュオゲル アダパレン+過酸化ベンゾイル 毛穴のつまり改善+殺菌 含まない
  • ベピオとの違い:ベピオは過酸化ベンゾイル単剤。デュアックはそこにクリンダマイシン(抗生物質)を加え、炎症を抑える力を補強した位置づけです2,3
  • アダパレン配合剤との違い:アダパレンは毛穴のつまり(角化異常)そのものを整える成分で、白ニキビ・黒ニキビにも働きます。デュアックは炎症した赤ニキビ・黄ニキビへの殺菌・抗炎症が主役で、狙いどころが異なります2

どの薬も赤みや乾燥は起こりうるため、肌質やニキビの状態に合わせて医師が選びます。複数を時間差で併用することもあります。

デュアック配合ゲルのクリンダマイシンは耐性菌の懸念があり、過酸化ベンゾイルの併用がそれを抑える

クリンダマイシンは抗生物質のため、単独で長く使い続けるとアクネ菌が薬に慣れて効きにくくなる(耐性菌)リスクがあります4。デュアックが過酸化ベンゾイルと配合されているのは、この弱点を補うためです。過酸化ベンゾイルはアクネ菌を酸化で殺菌するため、薬剤耐性株に対しても感受性株と同程度に働き、耐性菌が生じにくいとされています2

抗菌薬は漫然と続けない:日本皮膚科学会のガイドラインでも、抗菌外用薬・内服の長期漫然投与は耐性菌の観点から推奨されていません。症状が落ち着いたら、医師の指示で過酸化ベンゾイル単剤やアダパレン配合剤など、抗生物質を含まない維持治療へ切り替えるのが基本です4

デュアック配合ゲルは医師の処方が必要で、市販や個人輸入では入手しない

デュアック配合ゲルは医療用医薬品で、ドラッグストアの市販では取り扱いがありません。皮膚科やオンライン診療を受診し、医師の診察・処方を受けて入手します。冷所(2〜8℃)保存が指定されているなど取り扱いに条件があり、自己判断での使用には向きません5。費用は保険適用なら自己負担3割で、診察料を含め数百円〜千円台が一般的な目安です(処方内容や医療機関で異なります)。

個人輸入は避ける:海外通販・個人輸入の製品は、品質・保管状態・真贋が保証されず、強い接触皮膚炎などが起きても医師のフォローを受けにくくなります。必ず国内の医療機関を受診してください。

自分のニキビが赤ニキビ中心か、つまり中心かで向く薬は変わります。肌の状態を見たうえで処方を相談したい方は、オンライン診療もご検討ください。

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デュアック配合ゲルのよくある質問

デュアック配合ゲルは1日に何回塗りますか。

承認された用法は1日1回、洗顔後に患部へ塗布します。自己判断で回数を増やすと乾燥や赤みが強く出ることがあるため、医師の指示に従ってください1

塗り始めに皮がむけたり赤くなったりします。やめるべきですか。

使い始めの乾燥・軽い皮むけ・赤みは比較的よくみられ、肌が慣れて落ち着くことが多い反応です。保湿剤の併用で続けやすくなります。ただし強い赤み・腫れ・水ぶくれ・ただれが出た場合は中止して受診してください1

どのくらいで変化が出ますか。

数週間かけて徐々にニキビが減っていく経過をみる薬で、効果の判定は12週間で行います。12週間で変化がなければ医師に相談して治療を見直します1

ベピオとどちらが良いですか。

優劣ではなく狙いの違いです。デュアックは抗生物質を加えて炎症した赤ニキビに、ベピオは過酸化ベンゾイル単剤です。肌質やニキビの状態に応じて医師が選びます2,3

服や髪につくと色落ちしますか。

過酸化ベンゾイルには漂白作用があり、衣類・枕カバー・髪・眉などを脱色させることがあります。塗布後は手を洗い、乾いてから就寝するなどの配慮が必要です1

参考文献

1 デュアック配合ゲル 電子添文(医薬品情報・JAPIC/KEGG収載) リンク
2 過酸化ベンゾイル製剤の解説・薬効薬理(PMDA添付文書情報) リンク
3 クリンダマイシンの薬理作用(PMDA 医薬品情報検索) リンク
4 日本皮膚科学会「尋常性ざ瘡・酒皶治療ガイドライン」(抗菌薬と耐性に関する推奨) リンク
5 サンファーマ株式会社 デュアック配合ゲル 製品情報(保管条件等) リンク

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